車を購入

ドイツに行く前から決めていたことは、『すぐ車を買う』ということだった。
国境を越えてドライブがしてみたかった。

ドイツは車社会。
しかも、私の住んでいた街は、バスなんて夜の６時台で終わってしまう。
これは、すぐ車を買わねば、、、

しかし、問題があった。
それは、ほとんどがマニュアル車であるということ。

免許を取った時には、マニュアル車だったのだが、その後はずーっとオートマチック車ばかり。
左足は退化しているといっても過言ではない。

先にドイツに留学していた先輩から
『おい、小町。絶対、オートマチック車を探せ。考えても見ろ、日本とは反対の右側通行だぞ。そういうストレスの上に、マニュアル車運転のストレスがかかる訳だ。少しでも、ストレスを軽減しろ。』

先輩の言う通りだとおもった。
しかも、私の街は、坂道の異常に多い街だった。
坂道発進かーーー。出来ない。

しかし、ドイツでもほとんどがマニュアル車。
新聞の中古車情報をみていても、オートマチックなんて文字も見かけない。

諦めかけていた頃、ついに現れた。
オートマチック！
５年落ち、走行距離６万キロ。
ドイツ人にしては、少ない方だ。

しかし、悩んでしまった。
用意していた金額より、はるかにオーバーしていた。
それもそのはず、ドイツが誇る高級車だったからだ。
生意気のような気がして、ちょっとためらってしまった。

しかし、よくよく考えてみると、ベンツまたはBMW以外に、オートマチックは簡単には見付からなかった。
それに、今回の話をけると、次、いつオートマチックが売り出されるか、分からなかった。

留学の期間は決まっていたし、早く車を購入したかった。
安全性と先々売る事を考えて、購入してしまった。

５年落ちだったが、状態はかなり良かった。
私で、４人目のオーナーだったが、皆、毎回、デイラーで定期点検をしていた。
今まで、乗っていても、故障知らず。
機械や車には、当たり外れがあるが、この車は『当たり』だった。

この車で、いろいろな旅をした。
１年半で３万キロ走行。
女一人では、結構旅をしたほうかもしれない。

まさか、これで、ポルトガルに来るとは、夢にも思わなかった。